補助金申請の採択確率を高めるには、押さえるべきポイントや申請のコツが存在します。
申請の際は、適切な事業計画を策定することで補助金の採択可能性を最大限に高めていきましょう。
補助金申請のコツ
補助金申請の際に留意すべき主な点は、以下の3点です。
- 補助金の目的に沿った事業を計画、実行すること
- ストーリー性のある事業計画書を作成すること
- 審査項目に対して、具体性と妥当性を担保して申請すること
補助金を運営している国や公共機関は、中小企業が抱える課題を解決することを目的に補助金事業を行っています。
したがって、運営元の目的に沿った活用内容をストーリー性と審査項目を意識しながら事業計画書や申請書に落とし込むことが重要となります。
ポイント1:補助金の目的に沿った事業の計画
補助金には、国や公的機関が意図している実施目的が存在します。
設定されている目的に沿わない申請内容になっていると採択されにくい傾向にあるため、補助金の運営元である国や公的機関が対象の補助金に対してどのような目的や意図を持っているかは必ず確認するようにしましょう。
具体的には、公募要領や中小企業白書などを確認すると正しく汲み取れます。ここでは一部の補助金の実施目的をご紹介します。
各補助金の実施目的(国や公的機関が意図する目的)
- ものづくり補助金の目的
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革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備
投資等を支援すること - IT導入補助金の目的
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生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入するための事業費等の経費
の一部を補助等することにより、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を図ること - 小規模事業者持続化補助金の目的
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販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ること
ポイント2:ストーリー性のある事業計画書・申請書の作成
補助金の申請において事業計画書を作成する際は、ストーリー性を意識すると良いでしょう。
審査員は申請書類から採択の可否を決めるため、書面上で補助金が必要な理由を適切に伝える必要があるためです。
具体的には、以下の事項を繋げる形で事業計画書を作成すると、ストーリー性が担保されて補助金の必要性や活用方法が伝わりやすくなります。
申請書のストーリー性を担保する際に意識するべき事項
- 自社を取り巻く環境(内部環境・外部環境)
- 自社が抱える課題(業務プロセス面・マーケティング面・経営環境面等における事業課題)
- 補助事業の実施内容と期待効果
- ターゲットとなる市場や業務プロセスの改善内容
- 補助事業が売上や営業利益に与える影響
ポイント3:審査項目に対する妥当性・具体性の担保
各補助金には、審査項目や加点項目が存在し、公募要領などにおいて公表されています。
審査側はこの審査項目や加点項目をチェックしながら申請書や事業計画書をみていくことになるため、審査項目や加点項目に対して妥当性や具体性を備えた形で申請することがポイントになります。
各補助金の審査項目を抜粋して記載しますので、参考にしてください。
各補助金の審査項目(例)
- ものづくり補助金の審査項目の例
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- 新製品・新サービスの革新的な開発になっているか
- 人員体制や財務状況から補助事業を適切に実行できると期待できるか
- 市場ニーズやユーザー動向を明確に考慮できているか
- IT導入補助金の審査項目の例
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- 改善が必要な業務プロセスに対して、導入予定のITツールがマッチしており効果が見込めるか
- 生産性の向上や働き方改革を考慮して取り組みしているか
- 計画している労働生産性の向上率が補助金事業にて設定している数値に達しているか